

会社に在籍していた期間によって、社会保険等の給付の内容が変わってくる。したがって、その節目となる日まであと1か月や10日という場合は、なるべくその節目をクリアしたほうが得をすることになる。ここでは、それらを総合的に確認していこう。まずは、2か月がひとつの節目となる。2か月在籍していると、退職後に健康保険の任意継続被保険者の制度だ。6か月以上働くと、失業保険を受ける権利が発生し、さらに年次有給休暇もつくというおまけもある。もっとも年次有給休暇は、その間の出勤率が80%以上でないと発生しないので注意しよう。
本当に扶養の範囲で働くことがトクなのか、A子さんがパート(アルバイト含む)に出た場合を例として、よく考えてみよう。
※転職の場合は別。
年収120万円以内という扶養の範囲で働いた場合と、年収150万円の場合を比較すると、確かに実収入という意味では増えないどころか減ってしまう。しかし、社会保険である健康保険と厚生年金保険に入る利点もいろいろある。まず、A子さんの受け取る年金額が増える。150万円の例では年間約1万700円の増加となる。年金は一生受け取れる金額なので、将来的に見ると大きなメリットとなる。また健康保険に加入すると、業務とは関係のない事故や病気になって働けなくなった場合に、給与の6割相当額を1年6か月にわたって支給される傷病手当金という給付も受けることができる。
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パートタイマーを正社員にする場合、そのメリットとして、安定した雇用状態で働ける点、また、将来性、給与、福利厚生などでもパートより優遇されることなどが挙げられます。反面、正社員となることで、転勤や異動の対象となりますし、責任の大きさも変わってきます。それらの点も十分に説明すべきでしょう。
年末調整という言葉は、退職者には懐かしい響きがするに違いない。毎年11月頃になるといろいろな書類を総務部や人事部に提出して、お金が戻ってくることも多いという、在職時にはうれしい制度だ。なぜ年末調整が行なわれるかというと、先ほど所得税の課税方法の説明にもあったように、所得税は1月1日〜12月31日の1年間の所得に対して課税するということになっている。住民税のように1年遅れで課税するのではなく、所得税は毎月の給与から「だいたいこれぐらいの額を徴収しておけば年税額に近い額になる」という金額を毎月の給与から徴収していく。最後に年間の給与総額が確定する12月の給与支払が確定した段階で、年間の所得にかかる税金と1月〜11月まで仮徴収しておいた税金の総額とを比較して、過不足を調整することになっている。ところで、ここで所得という言葉を使うのは、収入とは違う意味があるからだ。給与をもらうためには、それなりの経費がかかっているはずだ。サラリーマンやOLの場合は、背広やスーツ、また、家族がいればそれなりに経費もかかる。所得とは収入(給与)から経費を引いた額のことをいう。所得税は文字通り「所得」に対して課税される制度だ。サラリーマン等の給与所得者は、経費があらかじめ所得控除として十数種類定められている。この控除項目のうち、毎月の給与から仮に徴収する所得税に考慮されるのは、扶養控除等ごくわずかである(年初に扶養控除等(異動)申告書を総務や人事に提出するのは、自分の所得控除の内容を申告するという意味がある)。それ以外の控除項目は、年末調整の時に考慮することになるので、徴収された税金は多く納められている場合が多く、そのため12月にその分か戻ってくるということになる(もちろん徴収される場合もあるが)。これが年末調整という手続きである。